検査、四方山話
知らなくてもなんら困らない内容です、よかったら読んでください。
◎ヘス と シノプト(=プリズムバー測定)
それぞれの測定原理を理解しやすくするために水平垂直をどのように 測定しているか球で表現しすると下の図のようになります。 (緑の点:回旋点 赤の点:正面位置)
ヘス
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シノプト
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それぞれを平面に投影すると下図のようになりその違いがよりわかると思います。
ヘス
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シノプト
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ただ、ヘスは眼位を定量するための検査ではないので、どうでもいい話なんですけどね。
プリズムバーの水平・垂直を前後逆に装用すると右上の図を90゚傾けたものになります。
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◎水平垂直?合成の計算法の真実と臨床
例をあ出て考えて見ましょう。
30?XT R/L10?の共同性斜視(測定時の固視眼は左)の合成?量は?
縦軸をx軸、横軸をy軸とし、患者(青点)はz軸上にいるものとする。 左眼は正面を向き、右眼は赤点を見ていることになる。 合成?は黄色だが明らかに?のほうが長い。
? 一般的な考え
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? 実際の?
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それぞれを計算すると ?31.6? ベース198.4゚ ?31.8? ベース199.2゚ と差が出る。
臨床的には問題にされない程度の差だが、知っておきたい事実である。
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◎プリズムバーの当て方
バーの当て方によって差は出るのでしょうか?図示してみましょう。
?右眼にバー2本を装用
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?Rtに垂直バー、Ltに水平バー |
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θ2、θ3それぞれを算出すつと 17.6゚ と同じ答えとなる つまり、どちらの当て方も結果は同じといううことになります。
ちなみに、作図的には図?と?は似ている(黄色の線の長さが等しい)が θ1=17.5゚、θ3=17.6゚ と似て非なるものである。
基底方向を見るときは黄色い線がゼロ点を通るように設定したとき有効となります。
*θ3は、余弦定理を使わないと算出できません。
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◎累進レンズ とプリズム処方
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単焦点レンズでは無視されているプリズムによるアイポイントのズレは累進レンズでは4?以上では考慮の必要を感じる。
左図は 4? の場合を拡大して作図しているが、レンズ 後面でアイポイントのズレは 1mm となり、累進レンズでは処方時に瞳孔間距離にそのズレを加味する必要がある。かな?
無視すると視線はレンズ の遠用ポイント、または 近用ポイントから外れたところ で使用されることになる。
遠用部に関してはさほどでないが、近用部や累進部では影響が大きい。 とはいっても、垂直4?で累進部が16mm、加入+2.00Dのとき左右で0.125Dの加入差しか出ない。水平4?だと、PDを1mm間違って作成したのと同じ程度になる。
しかし、処方のときは 仮枠のPD を、それに近づけて検査していただきたい。中等度以上の屈折異常がある場合は、矯正レンズ によるプリズム効果があるのでお忘れなく。
以前Tメーカーに聞いたところ影響は無いと回答された。それって瞳孔間距離は1mmや2mmはずれても平気ってこと?
誇張した表現で書きましたが、今まで不都合が出たという話は聞いていません。でも、ちょっと工夫して処方してみてほしいと思います。(ユーザーの為に)
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◎シノプトの瞳孔間距離
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図を見てお解かりと思いますが、瞳孔間距離は 少々 ずれていても、視標が見えていれば問題ありません。
これは、接眼レンズの焦点がスライド面にあることが条件です。 私が使ってるシノプトはほぼそうなっているようでした、多分どこのメーカーでも同じと思います。
以前、学会でPDのズレが検査結果に及ぼす影響を云々という発表がありましたが・・・。接眼レンズの?効果を考慮されていたのでしょうか。
先輩ORTに、PDが云々と言われたら黙って聞いてあげてください。
接眼部から普通に覗いても、離れて覗いても、視標の大きさは変わりません。これは、スライド面に接眼レンズ の焦点があるためです。(省スペースの視力表なども同じです)
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平成17年国試問題46にもあったように、PDのずれを接眼レンズのプリズム効果が視標に視線をもって行ってくれる、つまり検査結果には影響がないといううことです。
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◎CL追加矯正の換算表、端数は !!
視標までの距離は日本では5m、この視標に遠点が来るように矯正したとすると-0.20Dの低矯正となるのはご存知の通り。 -5.50Dで矯正された眼の屈折値は、実は(-5.70D以上-5.95D未満)ということになる。 上の行をCL換算した値に置き換えると、 -5.16Dで矯正された眼の屈折値は、実は(-5.34D以上-5.55D未満)ということになる。
これを見ると-5.50Dの換算値は-5.25Dが妥当ということはわかる。 いつもお使いの換算表と比べてください。
ここで困ることがあります、 メーカーによっては製作範囲が-6.00Dあたりから0.5Dステップとなり、トライアル-3.00Dを装用していると発注度数は-8.25Dとなるが製作が無く-8.00Dか-8.50Dの選択となる。 ピンク色の数値を見ると-8.50Dを選ぶのが良いのかもしれないが、もし視力の出方が一段低くても良好な視力が得られているのなら-8.00Dの選択もありだ。これは検者のみ知るところ。 再検査できるのなら、それが一番なのだが。
あるメーカーから頂いた換算表では、-5.75DはCL換算-5.25Dとあります、計算では-5.38D(-5.55D~-5.77D)となります。 トライアル-3.00Dとすると-8.25Dとなり上記の例の場合、-8.00Dを選択したくなる方は多いと思いますが 実は、-8.38D(-8.55D~-8.77D)なので-8.50Dが過矯正とは言い切れなく、むしろ有力な選択肢なのです。
しかし、最近はDCLが主流、トライアルも処方度数に近いものを入れるので換算表を見ることも少なくなりました。
アイミー、トーリックレンズの処方マニュアル(古いもの)に計算値をそのまま載せた換算表がついています、手元にある方はぜひ利用してください。 必要な方は、メールをいただければエクセルで作成したファイルをお送りいたします。
追記(H15.12.15) 最近、各メーカーの換算表を見比べる機会があった、ニチコンのものは私が以前作ったものと同じだったがメニコンは多少+よりに換算されておりシードはさらに+よりになっていた。 シードでは、ハイパワーの換算値には疑問を感じる。換算値には疑問を感じる。
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◎非球面レンズ とプリズム処方
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『累進レンズ とプリズム処方』では、「単焦点レンズでは無視されているプリズムによるアイポイントのズレは累進レンズでは4?以上では考慮の必要を感じる。」と書いたが、非球面短焦点レンズ でも同じことが言える。
左図は 4? の場合を作図しているが、レンズ 後面でアイポイントのズレは 1mm となる。非球面レンズ は光学中心から離れると度数が減弱する設計になっている、したがってアイポイントを考慮しない?処方、加工では正面視での矯正効果が多少ではあるが不足することになる。
どのくらい減弱するかはメーカーによって違う。
たかが 4? で 1mm 、されど 1mm 。
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◎測定範囲外の屈折異常でもレフは取れる。
オートレフの測定範囲には限界がありますが、それを超える屈折異常の眼を測定することは出来ないとあきらめている方多いかもしれません(やっているかよという方読まなくっていいよ)。
やり方は簡単、仮枠に-10.0Dなどの強いレンズをいれ被検者に掛けてもらいオートレフで測定、これだけです。多少の誤差は出ますがデータがまったくないよりはまし、被検者が低視力者であればなおさら。
コンタクトを使うというあなた、被検者に余計な苦痛と時間を強いていますよ。(コンタクト希望者ならいいのでけど)
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